ギガマキ版「もしも…」


今の、所
盟タン紫龍は顔を合わせてないが。
仮に、会わせてみた場合

どないなるか、勝手に 書いてみますた。

   * * * *  

星矢「紫龍!俺たち10人の他に、もう一人聖闘士の修業を
   生き残った奴がいたんだぜ!」

紫龍「そうなのか!誰、なんだ?」

星矢の陰から、ひまな悪ガキルックの盟たん登場。

 盟「よっ紫龍!久しぶり〜っ!なーんだ?すっかり
   チャイナに染まったようだな!」

紫龍「……その、物言い、もしかしたら盟か?」

 盟「あったりー☆」

紫龍「髪の色が変わってたから、一瞬分からなかったぞ 
   それにちょっと抵抗ある髪の色だからひいてしまったよ春麗
 

――6年ぶりの、しかも互いに死んだとすら思っていた
   仲間の再開に二人は感慨に耽り、話はやがて
   修業時代の事になった――(ナレーション田中秀幸氏で)


紫龍「俺が学んだ老師は、拳や体技だけではなく、知識教養も
    重んじる方で、中国の歴史や故事も学ばされたんだ」

 盟「へー、俺の師匠もさ、いつもは俺らボコってばかりなんだ
   けどさ、たまーに学のある事言うんだよ」

紫龍「ほう、盟の師匠も文武両道の教えを守られていたのか」

 盟「文武両道なんて、ごたいそーなモンじゃねーけど、
   けっこー諺とか知ってんだよな
   紫龍「狡兎死して走狗煮られる」って知ってるか?」

紫龍「記憶にはあるが……おまえの師匠確かイタリア人だよな」

 盟「おお、んでも仕事でいろんな国回ってたみたいだからな、
   東洋の知識もあるみたいだぜ、技の名前も漢字だし」

紫龍「ほう、かなり知識豊かな師匠に恵まれたんだな、お互い」

 盟「…恵まれたかなぁ。かなりキツかったぜ」

紫龍「それは、 聖闘士を目指す者なら、誰でもそうだったろう。
   でも、俺はまだ恵まれていたのかもしれない…」

 盟「ん?」

紫龍「春麗という娘が世話役になってくれた。彼女の励ましや、
   暖かい料理のお陰であの辛い六年を乗り切れた…」
 
 盟「へー女の子付きだったんだ、いーなー!
   あ、でもさ、俺の師匠もたまに飯作ってくれたぜ
   生き残ったら……だけどな」

紫龍「ほう、盟の所は師匠自ら料理を?」

 盟「気が向いたときだけどな。シチリアは魚とか新鮮でうまい
   から、それざっと焼いて塩コショーそれとシチリア名産の
   レモンかけて食わすんだ。けっこーうめーよ」

紫龍「文武両道で、知識豊かで料理の心得もあるのか……
   良い師匠に恵まれたな」

 盟「てへへへへ!、相変わらず持ち上げるの
うまいねぇ
   …でもさ」

紫龍「ん?」

 盟「ほらさ、サガの反乱とかって前にあったろ?
   俺、詳しいこた知らねーんだけどさ」

紫龍「あ、ああ…あれは、激しい戦いだった。聖闘士の半数
   以上が倒されたからな」

 盟「うん、でさ、俺の師匠もその…倒された一人なんだ」

紫龍「なんだって!?じゃあ盟の師匠はもう」
 
 盟「うん、この世にゃ、いねえ。俺も、修業途中だったから、
   聖衣も授かんなくて、今は雑兵の身さ…ははは…」

紫龍「なんと、惜しい聖闘士を亡くしたものだ…サガの反乱に
   よって、荒れた聖域を建て直すには、おまえの師のような
   文武優れた聖闘士が必要だというのに」

盟「あんがとよ。俺も、まだ信じられねーんだ」


紫龍「盟…」

盟「だってさ、師匠すっごく強かったんだぜ!それに、
  しぶとくてずぶとくて、実はどっかで生きてんじゃねーかな
  って、時々思うんだ」
 

明るく言ってのける盟の表情に、
思わず目頭がじわっとくる紫龍。いいのか?


 盟「なんかよ、今でもさ、いきなり後ろからボコって殴られ
   そーな気がするんだ」

紫龍「そ、そうだな…もしかしたら何処かで生きている…
   そう信じていれば、叶うかもしれない…無責任だがな…
   (ウルウル)」

 盟「あんがとよ☆そーゆー前向きなトコも変わってねぇなぁ
   聖闘士になってもさ」


盟も、熱くなりつつある目頭を隠すように紫龍から少し目を
そらした。


 盟「それにさ、俺の師匠……秘密にしてよーと思ったんだけど
   紫龍にゃ言うわ…」

紫龍「あ、ああ…」



盟は、額を付き合わせるくらい顔を近付け、紫龍にだけ聞こえる
ような小声で囁いた。


 盟「実は、俺の師匠……黄金聖闘士、だったんだ」

紫龍「えっ!?盟の師匠もだったのか?」

 盟「へ?「も」ってことは、紫龍のところも」
 
紫龍「ああ、俺も聖衣を授かった後に知ったんだが、老師も
   黄金聖闘士だったんだ」

 盟「へーっ!!なんかお互いさあ…」

紫龍「似たような」

二人「師匠だったんだな☆」



ついに、ハモってしまった。 あーあー



 盟「ななな、紫龍んトコは何座だったんだ?」

紫龍「それがな、聖闘士で唯一武器を所有できて、聖闘士の
   善悪を判断する役目を担った、天秤座の聖闘士なんだ」

盟「へぇぇ〜それすごいなー!

紫龍「盟は?」

盟「俺の師匠?蟹座☆」




   えっ?





















Σ(゚д゚|||)ガーン!!







盟「……ど、どしたんだよ?イキナリ
   Σ(゚д゚|||)←こんな顔になってさ?」


紫龍「あ、ああいや……め、めい…」


 盟「ん、何?」


紫龍「か、蟹座ってことは…」


 盟「ん?」


紫龍「キャンサー……だよな」


 盟「おお、そーだよ。キャンサーだよ」


紫龍「そうか…キャンサーってことは……あの…」


 盟「はい?」


紫龍「あの…蟹座だよな?」
 
 盟「…おまえよ、いくらお年寄りが師匠だったからって、
   オメーまでボケてどーすんだ?」


紫龍「…すまん…」

 盟「何、青くなって小刻みに震えてんだよ?」

紫龍「いや、なんか…この部屋冷房きつくないか?」

 盟「空調?入ってねーよ」

 
ちゃらり〜鼻から牛乳〜♪

紫龍「そ、そうか…今日寒いからかな?」

 盟「思いっきり、晴れてあったかいです……おまえさ?
   もしかしたら俺の師匠のコト知ってんのか?」

 
ちゃらり〜鼻から牛乳〜♪

紫龍「いいや!知らない!知らないと思う多分きっとおそらく

 盟「なんか、後半の声ちいせぇ部分が気になるな」

紫龍「あの…もう少し伺っても、よろしいでしょうか?」

 盟「ん?なんだよミョーに改まってさ」

紫龍「盟のおし…おしっ…お師匠…さ・まは〜」

 盟「何ラップみたいな言い方してんだよ?」

紫龍「あ、ああ…本当に、サガの反乱でお亡くなりになったの
   ですか?」

 盟「そう、聞いた。俺も、そのタイミングしか考えられねー
   と思う」

紫龍「はあ…本当に蟹座の聖闘士でし、たか?」
 
盟「(ムッ)だよ!!こーんなトゲトゲの聖衣付けてんの、
   一回だけだけど、見さしてもらったよ。
   酒飲んで酔っ払ったところで、弟子連中でおだてたら
   装着してくれたんだ……だから何でそんな
  根堀り葉堀り聞くんだよ?」


 
ちゃらり〜は・な・か・ら牛乳〜〜っ!!

追い詰められ…というよりは自分で首をシメシメしている紫龍の
姿に、それまで傍観を気取っていた星矢が助け舟を出した。

……ええ、ずっといたんですよ、星矢ちゃん。

星矢「盟、黄金聖闘士が師匠になるってめずらしーんだよ。
   だから、紫龍も興味があるんでねーの?」

盟「…そっか…」

その時、紫龍の目には
星矢が救世主の如く神々しく写った。
 
紫龍「そそそそ!そうなんだ!!修業に出された俺たち
   孤児の中でも、俺と氷河くらいだったから珍しくてな」

 盟「へー、氷河もかぁ!あいつ無口だからよ、なんも教えて
   くんねぇんだもん」

紫龍「そうか!い、いい機会だから…氷河の話も聞くと面白い
   と思うぞ!いま、呼んでくる!」


硬直した笑みのまま、冷や汗タラタラ状態だった紫龍は、
脱兎のごとく部屋から駆け出て行った。
室内なのに、なぜか砂埃が舞うくらいの勢いで。


 盟「ごほっ!!なーにマッハの速度で部屋から出てんだよっ!」



   * * * *



それから、三日が過ぎた。
場所は、星矢の住むヨットハウス。ここだけアニメ設定?

時間は、夕刻。
猫のような声で群れ飛ぶカモメ達は、住処へと戻り
沈み行く夕日に、ヨットハーバーがオレンジに染まる。

その陽光は、星矢の部屋にも斜に入り込み
窓際に腰掛け、ぐったりと出窓に頭を押し付けている
紫龍にも、注がれていた。

星矢「だっだいまー」
 
手に、でかいMドナルドの紙袋を抱え、元気な声で星矢が
入ってくる。

 瞬「わ…まだ落ち込んでる…」


背後から、ドリンク類を携えた瞬も登場した。
部屋の中央にどっかりと座り、紙袋を開けながら星矢が
口を開く。


星矢「だから、盟には全然気づかれてねーんだから、
   いーかげん立ち直れよ」


そう言って、チーズバーガーに思い切りかぶりつく。
とりあえず、生きてはいる証拠に紫龍の頭部がもそっと動く。

 
瞬「…あの場合、仕方ないと思うよ。でなければ紫龍がやられ
  ていたんだし…星矢、はいコーラ」


瞬は、アイスコーヒーとフィレオフイッシュを両手に持ち、
慰めの声を掛けた。
掛けて、すぐにパクついた。
星矢は、チキンナゲットをもぐつかせながら、瞬を親指で指す。


星矢「こいつを見習えよ、盟の先輩倒しといて、ケローッと
   してんだから」

瞬「ケローッ…っていうよりは、暫く思い出せなかったんだ。
  あの時期、白銀聖闘士が入れ替わり立ち代わりで誰が
  誰だかよく覚えてなくて…」

星矢「な、瞬でさえこーなんだ、オメーもいつまでも過ぎたこと
   クヨクヨすんな」

 
紫龍は
頷いたんだかうな垂れてただか、頭をガックリと下げた。


氷河「その分だと、他に理由がありそうだな」


気配もなく部屋に入ってきた氷河に、星矢と瞬はポテトを
散らして驚いた。


星矢「わっ!氷河、ノックくらいしろよ!ポテトもったいねー…

瞬「氷河、ピロシキ買えたの?」


氷河はこくりと頷き、二人の間にどっかり座って、
揚げたてのピロシキとミルクティーを口に運ぶ。


星矢「まー、他に理由か…心当たりはあるけどな
   つーか、そっちの方が落ち込む原因になってん
   じゃねーか?」


ポテトを頬張って言う星矢に、紫龍はピクッと反応した。


氷河「…盟の話では、紫龍の師と自分の師が良く
   似ていた
とか…」


熱いピロシキを頬張っている割には、出す言葉は
やはり冷たい。

紫龍は、打ちのめされたように窓枠をガシっと
掴んで身を震わせた。


 瞬「うん、それと盟、自分の師匠を凄く褒められて
   嬉しがってたけど」

星矢「ああ、あのアンダーバー引いてた部分か?
   読者さんがスクロールする手間省くために
   ちょっと抜粋するぜ」


・かなり知識豊かな師匠に恵まれた
・文武両道で、知識豊かで料理の心得もある
良い師匠
・おまえの師のような
文武優れた聖闘士
惜しい聖闘士を亡くした


紫龍「わーっ!!」


夕日のヨットハーバーに向けて、紫龍は頭を掻き毟り
ながら叫び上げた。


 瞬「星矢!!そうやって古傷に塩を擦り込むから
   三日間も落ち込んでるんじゃないか!」

星矢「瞬、ナゲットのソース口に付いてるぞ」


瞬は慌てて、紙ナプキンでマスタードソースをふきふきした。


氷河「あ、言い忘れていた」


ピロシキ一個平らげた時点で、氷河ははっと何かを思い出した。


星矢「なんだよ?」

氷河「件のだがな、もう少しでここに来る


   シーン


氷河のお言葉は、やっぱり周囲を氷の世界に導いた。
特に、紫龍。


星矢「…早く言えよ!!」

 瞬「紫龍、この場は一先ず離れた方がいいよ」


顔面蒼白の紫龍は、コクコク頷いて慌ててドアを開けて
外に出ようとした。


星矢「あ、ちょっと待て!!

紫龍「…何だ?」


星矢は、いつに無く真剣な表情で紫龍に真っ直ぐ向き合い
意を決したように言った。


星矢「この……チキンタツタ、お前の分だ持っていけ」


   だああああっ!!


星矢以外の三人は、床に崩れ落ちた。

紫龍がワナワナと震えて立ち上がり、拳を握り締める。


紫龍「…気持ちは嬉しいが……それどころじゃない……
   じゃあ!!」


ドアを出て、紫龍は長髪をなびかせながら階段を
足早に降りていった。


 瞬「…しばらくは、五老峰に戻った方が…」

氷河「いいな」


氷河は、瓶詰めのザワクラウトを口に運んだ。

ザワクラウト…キャベツの酢漬けでロシア人の常食品でち

星矢「ま☆いつかほとぼりも冷め……」


 盟「お!紫龍久しぶり〜っ!

紫龍「うわーっ!!」


突如、窓の外から響いた二つの声に
室内の三名はゲッとした表情になる。


瞬「こ、これっ…て」

氷河「見事に」

星矢「はちあわせっ…てか」


盟「今さあ、パニーニ買って来たんだよ!みんなで食おう」
  と思ってさ☆」

紫龍「そ、そうか…でも…」

盟「日本でさ、ソフトサラミ挟んでるパニーニ見付けたから
  嬉しくてさー、これさ、シチリア名産なんだ。サラミ」

紫龍「いやあの…」

盟「中華もうめーと思うけどさ、イタリアンも中々だぜ!
  それにこれ、師匠の大好物だったんだ☆
  さ、中入って食おうぜ!!(グイグイ)」

紫龍「うわ〜っ! たすけてくれーっ」


階下から
上機嫌な盟の声&悲痛な紫龍の叫びが響く

夕日の差し込む部屋にいる三人は
何のコメントも出せない状態で

ただ、各々の飲み物を
ストローで、すするしか無かった。



     ちゅー…



           オチつかないのでおわり