<Intermission> 意味「休止」

 何がびっくりしたって、指が根本まで埋まるほどの
深さ
(参考までに自分の中指の長さを測ってみたら、
8センチありました)で背中を刺されたにも関わらず
この時点で既に元気な星矢ちゃんである。

心臓刺されてはいなかったのだろうが、肺がぐっさり
いかれてると思うんだが・・・

名探偵コナンでは、背中に針を一本突き刺して相手の肺に穴を空ける
とゆー殺人方法があったのですが・・・だから車田にマジ突っ込みは(略)


 「十日以上」が正確に何日なのかは不明だが、その
短期間で全快したわけではなくても元気に騒いでるって
・・・すごいね。偉いね。さすがは主人公。

 しばらく説明台詞が続いてなかなか楽しい。
 そして、がんばって辻褄を合わせようとしてくれている
(禁句)ニコルさんがナイスだ。
 そう、盟は実は登場したときから嘘を吐いていたことに
なるのだが・・・微妙に納得いかないところが何とも。ねえ?(笑)

 そして、ここで明かされる衝撃の(?)事実。

「盟の師匠はな……」ニコルは言いよどんだ。
「アテナを弑逆せんとした、双子座のサガの側についた
邪な聖闘士だった」
            (196ページ)


 そんな、邪だなんて決めつけないで!!(ファンの叫び)
 ちょっと価値観がずれてただけよ!!
 冥界じゃちゃんと協力してくれたのよ!!
 て言うか、ある意味冥界編の十二宮におけるアテナ軍最大の
功労者は、冗談抜きで彼なのでは?オスカー並の演技力

 ・・・いや、しかし、やはりこれは彼ですねえ? 私は
盟の師匠について、「シチリア」と聞いた時点でヤツの顔が
浮かび「サガの反乱で死んだ」という盟の証言で確信し、
この台詞で「やっぱりか!!」と叫んだのだが。
 
 しかしニコルさん、盟ちゃんが意識不明のままなのに
ずいぶんと詳しいことまで分かったのね。なんで劇場や
聖域で暴れたのが盟だったなんてことまで断言できたの
だろう。・・・腕のタトゥーか?

 て言うか、歴史書にそんな聖衣のことまで載ってるん
だったら、青銅諸君突入させる前に調べようよ・・・。
 相当特殊な敵が出てきてるんだから、調べるべき場所も
かなり最初から絞り込めると思うんだけど。
 盟ちゃんの師匠なら教えてくれるぞ。「敵を知り己を
知れば百戦して危うからず」って・・・


 そ・し・て。意外なまでに壮大だったギガマキの世界観
(失礼だっつーの)の総仕上げがこれだった。

「かつてこの地上には、人と同じように火を授かり、
同じように智恵の実を食べた、より力強い種が広く存在
していた。その崇める神とともに」

 ニコルの口調は、史書を諳んじる語り部のようになって
いた。

「それが、ギガス……?」

「人とギガスは、相容れぬ敵対種だ。それが証拠に、われ
われ人間は彼らを『巨人族』と仇名して、神話のなかで
悪鬼羅刹のように描いている」
             (201ページ)


 智恵の実は宗教違うよニコルさん・・・ではなくて。

 ギガスとは・・・・ネアンデルタール人(註4)の
ことだったのか!!(違うわ!!)


 意外にもほどがある結論を勝手にぶちかましたところで、
第二巻に続く!!

 とりあえず、なんだかんだ言いつつ
今回さんざんだった盟ちゃん!!
 
無事でいてくれ!!


  (註1)黒い瞳と青い瞳

 大したことじゃないけど、以前から気になっていた
ので。
 氷河の両親は、父光政が日本人(モンゴロイド)、
母ナターシャがロシア人(コーカソイド)である。ユー
ラシアンって奴ですね。ロシアならスラブ系だろうから、
母親が金髪碧眼なのは何の不思議もない。と言うか、
スラブ系の女性って若い頃は本当に信じられないほど
美しいんだよー・・・

 それはともかく。だが、この場合、子どもが金髪
碧眼に生まれる可能性はかなり低いと思われるのだ。
父親が、黒髪黒眼のモンゴロイドだから。

 遺伝子には強弱がある。そして、黒い瞳と青い瞳
では、黒い瞳の遺伝子の方が優性なのである。
 すなわち、黒い瞳の親と青い瞳の親の間に生まれる子
は、ほぼ100パーセント黒い瞳になる。髪の色も、
普通はこんなはっきりした金髪にはならない。

 にもかかわらず氷河がぱっと見完全ロシア人の容姿に
生まれた(よかったなああのオヤジに似なくて)のは、
突然変異でなければおそらく光政の方にその要素が
あったからと思われる。

 考えてみれば、光政はギリシア人(だよね?)の
アテナを「孫」と言い張って押し通したわけで、それが
出来たということは城戸家にはもともと白色人種の血が
入っているのかもしれない。
 母親日本人のはずの瞬もちょっと純粋モンゴロイドとは
思えない髪の色(亜麻色って・・・)だし。彼は母親の
設定がはっきりしないから断言は出来ないが。

 ・・・うーむ。本気でどうでも良い註だったな。
 
  (註2)秋芳洞

 山口県・秋吉台の地下約100メートルにある、
日本最大の鍾乳洞。特別天然記念物。
 総延長約10キロメートルと推定されるが、そのうち
約1キロメートルが公開されている。

 多数の鍾乳石や石筍・石柱、「百枚皿」「黄金柱」
などの名前を付けられた自然の造形が見事。大自然の
偉大さを感じずにはいられない場所である。
 見学しながら「ここにも誰か封じられていないかしらv」
などと腐れた妄想を楽しむもまた一興。

 ただし、鍾乳石等は気の遠くなるような時間をかけて
僅かずつ出来上がった、絶対に人間の手で復元することの
出来ない貴重な自然の芸術品である。壊したりするのは
地球に対する犯罪なので絶対にやめましょう。ガイア様の
罰が当たります。

 年間通じて内部の気温が17〜19℃に保たれている
ため、夏場考えなしに入ると真剣に寒い。と言うか私が
そうだった。
 ついでに、成り立ちを考えれば当然のことなのだが
足下が常に濡れている。おしゃれな女性も、ミュールや
ハイヒールなんか履いていかない方が良いです。転んだら
シャレになりません。

 ちなみに秋吉台は、日本最大のカルスト地形(地下水が
石灰岩質の土壌を浸食して出来た地形)の台地である。
白い岩がごろごろ転がった独特の風景が楽しめる。
 国定公園になってます。

 ・・・って、何で私はこんなところで観光案内をして
いるのだ。
 いや、一度行ってみる価値はありますよv 良いところ
でした。
 

  (註3)テュポン

 ガイアとタルタロスの子。
 体は山のように大きく、顔には髭を蓄え、腿から上は
人間、腿から下は蛇であり、肩から100の蛇(龍とする
説もあり)が生えて黒い舌を出し、眼から炎を吹いている
という。
 その名Typhpnは「台風」の語源となった。

 ・・・かなりその・・・・絵的に想像しにくい姿ですね。
ど、どんなもんなんだ、眼から火って。左右非対称という
ギガマキの描写も想像しにくいが・・・

 ていうか、盟ちゃんがこんなかっこにさせられなくて
よかったよかった。
 個人的なことだが、緑は小さいものがたくさん寄り
集まってうぞうぞしているという奴が死ぬほど苦手なの
である。百匹の蛇が肩に・・・ああああああ嫌ッ!! 
想像するのも嫌!!
 十代美少年(決めつけ)に髭というのもダメージでかい
が、それはまだいい。許容範囲内だ。でも、蛇は嫌ーッ!!


 しかし、「蛇」というのがキーワードであることは
間違いないようである。

 蛇はギリシアに限らず世界中で特別視されることの多い
動物である。
 毛も手足もなくて哺乳類ではない。鱗はあるが魚でも
ない。春になると地中から出てくる、また脱皮すること
から「再生」の象徴と見られることも多いようだ。

 キリスト教ではイヴを誘惑した悪魔の化身であるが、
正邪いずれの面が強調されるにせよ、神秘的な力を持つ
存在とされているわけである。南米にもケツァルコア
トルとかいるし。

 ギリシアにも蛇系の妖怪・怪物の類は多い。
 テュポンやエキドナはもう言うまでもなく、ギガスも
一部が蛇だったりする奴結構いたはず(確か鱗は付いて
ましたねみんな)だし、ゴルゴン、レルネのヒュドラ
(そういえばこいつもエキドナの子。市っちゃん・・・)、
キマイラなんかもしっぽ蛇だし。
 ドラゴンは微妙なところなんだけど。東洋の龍は蛇の
神格化の性格が強い(元は鰐らしいですね、まあ水神の
要素もあるし)が、西洋のドラゴンはどうなんだろう、
見た目的には蜥蜴だけど。

 一方、蛇は医術の神アスクレピオスの使いでもあるの
だった。だから蛇遣い座なんだよね、お医者さんなのに。
ヘルメスの杖にも蛇二匹ついているし。

 ・・・閑話休題。


 テュポンについて、ギリシア神話最大の悪役・・・と
書かれた解説を読んだ記憶があるのだが、あの世界に
善悪などという判断基準を持ち込むことに意味はあるの
だろうか。
 神々の正義すらいい加減なものなのに、って言うか
素直に判断したら誰よりまずゼウスが悪だと思うぞ。
全世界の女性の敵だあのオヤジは。

 しかしまあ、ゼウスを中心にしたオリンポスの神々を、
最も脅かした存在であることは確かである。
 その力に神々も一度はオリンポスを脱出し、動物に姿を
変えてエジプトまで逃れたのである。踏みとどまって
戦おうとしたゼウスは足の腱を切り取られて幽閉されて
しまう。ヘルメスとアイギパン(・・・だったっけ)に
よってゼウスは助け出され、ついにはエトナ山を投げ
つけて封じることになるわけだが。大物であることには
間違いあるまい・・・

 が、その割にどうも残っている話は大して怖いもんじゃ
ないのだな。
 星座の神話にも結構出てきていて、有名どころで魚座と
山羊座がそうである。魚座はアフロディーテとエロス、
山羊座はパーンが、突然現れたテュポンから逃れるために
川に飛び込んだ姿とされている(川辺で宴会してるときに
現れたんだそうだ)。が、その後何をしたのかは謎。
 どうも、ただ意味もなく暴れたくて暴れ込んだだけに
思えるのは私だけか? やっぱりバカ神だ、こいつ・・・

 ん? しかし考えてみればテュポンって「神」なのだ
ろうか? 神話では大抵「怪物」として登場するけど。
 血統的には「神」と呼んでも差し支えないが、オリン
ポスやティターンの神々のようにはっきりした神格を
持った存在ではないような。原始的な精霊に近いのかな?
 台風の語源とは言え、特に暴風の擬人化とは思えない。
半分蛇だし、大地の怪物のイメージが強いと思う。ガイア
の子だし・・・・あ、蛇の立てる「音」という要素はどう
なんだろう? 面白いなーこういう考察。

 ・・・・面白いけど、掘り下げすぎるとドツボにはまる
のでこの辺で自重します。素人が耳学問でどうこう言える
世界じゃないさ。
 

  (註4)ネアンデルタール人

 学名Homo sapiens neanderthalensis。哺乳類霊長目ヒト科。
 第四紀更新世後期(約13万年前〜3万年前、間氷期
からヴルム氷期)にかけて、ヨーロッパや西アジアに
分布した旧人の一種。

 ドイツのネアンデル峡谷(ネアンデルタール、ちなみに
偶然ですが「新しい人の谷」という意味になるそうな)
で化石が発見されたため、この名がある。

 以前は人類の祖先と考えられた(アウストラロピテクス
(猿人)→ピテカントロプス(原人)→ネアンデルタール
人(旧人)→クロマニヨン人(新人)→現生人類、という
進化が考えられていました、超大雑把ですが)が、現在
ではDNAを調査することによって現生人類との直接的
血縁関係はないとされている。
 最近の研究では混血はあったとする説も出てきている
ようだが、いずれにせよネアンデルタール人は私たち
人類の祖先ではなく、途中で分かれて別の進化を遂げた
亜種であったらしい。

 現生人類(Homo sapiens sapiens)の祖であるHomo
sapiensとは、かなり長い期間共存していた。現在地球上
にはヒト科の動物は一種類しかいないが、もしかしたら
そうではなかった可能性は十分あるわけだ。
 
 ネアンデルタール人は、身長は160センチ台とそれ
ほど大きくはないが、筋骨隆々のがっしりした体格で
体重は100キロを超えていたという。また、脳容量は
現生人類より大きかった。
 言語能力の発達は骨格から見て人類ほどではなかった
と言われるが、始めの頃考えられたような「野蛮人」
ではなかったとするのが現在の通説である。

 彼らはかなり高度な知性の持ち主であったと考えられて
いる。火や多様な石器を使い、狩猟を行い、集団生活を
営んでいたことが分かっている。また、死体を埋葬した
墓に花を供えた形跡のある遺跡が発見されていて、感性や
感情も非常に豊かな、平和的な種であった(ギガスと違う
じゃねーか)あったといわれる。

 
 ネアンデルタール人が何故滅亡したのかは分かって
いない。「野蛮な種がより優れた種に滅ぼされた」と
する初期の説は否定されたが、では何故なのかという
疑問に答える定説はまだない状態である。
 むしろ、知能的にも身体能力面でもクロマニヨン人より
優れていたとする説すらあり、逆に何故滅んだのかが謎に
なってしまっているのだ。
 氷期の環境に適応しすぎて環境の変化に対応できなく
なったとする説もあるが、クロマニヨン人との競争に
負けたという可能性(直接戦争やったとは限らないけど)
もある。
 本当のところはどうなのだろう?

 まあ、ツッコミどころが山ほどあるのは承知の上ですが、
ギガス=ネアンデルタール人説ってダメでしょうか。
「同じように智恵の実を食べた」「より力強い種」という
辺りがすごく符合するのですが。ダメ?

 ・・・・こんなくっだらないことを書くためにネアン
デルタール人について調べるのは、とても楽しゅうござ
いました。(バカ・・・)