ネオ・バカップルシリーズ
その3


また自分の話「Crystal Knights Return」からのネタでごめん!!
これは、第6章 「Josephine Collection」のね、ルードヴィッヒがね
クリスタル・ナイツのメンバーの前で「悪魔の壺」を割って
びっくりさせるシーンのおちょく……パロです。

ここで「喪男」と言ってるのは、シャーク・ベアー・ホークの三人です。
勝手に喪男扱いですwww





武器工場の襲撃から、数日経った日。

ルードヴイッヒたちは、居間のテーブルに座っていた。
ルードヴイッヒの前には、悪魔の壷が置かれている。

↓あ、これが座席表ね



「さて、集まってもらったのは他でもない。今後のクリスタルナイツの活動についてだが…」

ルードヴイッヒは、壷を持ち上げると宙に軽く放り投げた。
床に叩きつけられて、粉々に四散する壷を、誰もが驚きの目で見つめる。
しかしその直後、なお驚く事態が発生した。

なんか壷から、もわーんと白い煙が立ち上って、中から人影が見える。

ルードヴイッヒ始め、他のメンバーも「えっ?!」「えっ?!」とか動揺してるし

煙が消えて、そこに立っているのは…

白いドレス姿で手を組んで
 (^▽^)←こんな顔してニコニコ笑ってる一人の女性。


「ジョセフィーヌ?!」


「よばれました〜とびでました〜☆」


相変わらずニコニコした笑顔のまま立っているジョセフィーヌ
死んだ証なのか、一応背中に翼が生え、頭に金色の輪っかが浮いている。

↓喪男ツッコミ
熊「わっ、悟空さんや!!」
鮫「悟空さんと同じや!!」
↑ここまで

ルードヴイッヒが額に手を当てて、ガックリとテーブルに肘をついてうなだれる。

「なんで…お前が出てくる…?」

という問い掛けは無視して、ジョセフィーヌはメンバーにペコリと一礼すると。

「皆様始めまして(ニコニコ)私はルードヴイッヒの…」

「元カノだ」


ビシッ!!


笑顔のままジョセフィーヌの手刀が飛び
どつかれたルードヴイッヒが鼻血噴出してる。

↓喪男ツッコミ
鮫「見たか?…今の突っ込み」
熊「見たか言われても、目に止まらん速さや…」
鷹「光速のツッコミでしたね…」
↑まで

流れる鼻血を手で押さえているルードヴイッヒを無視して、ニコニコしたまま続ける。

「私は、ルードヴイッヒの永遠の恋人、ジョセフィーヌです☆」

まだ鼻血流しているルードヴイッヒに、ジタンダがティッシュ提供する。

↓喪男
鮫「なんや…この展開…」
鷹「あの壷、元カノさん封印してたって事ですか?」
熊「つーか、自分から入ったみたいやな」
↑まで

ミレーヌはクールに煙草を付け、ウルフは腕を組んで難しい顔で俯いている。
キャットも、どうしていいか分からず困惑した顔で座ってたりする。

「皆さん!!」

突然、ジョセフィーヌが声を上げて皆びっくりする。

「皆さん、聞いてください!!」

ジョセフィーヌ、ルードヴイッヒをビシッと指差して涙目になって叫ぶ。

「この人、ひどいんです!!」

↓喪男
熊「ひどい…言われたかてな…」
鮫「ひどい事するのが、仕事やもんな」
鷹「ひどい事して、稼いでますからね」


「なんだいきなり?!」

声を上げるルードヴイッヒに、きっと顔を向けると、また指差してメンバーに叫ぶ。

「初めてのデートで、30分遅刻したんです!!」
「……」

額に手を当てて気まずそうにするルードヴイッヒ。そしてブツブツ言い訳始める。

「商談が長引いていたと、あとで言ったろう…」
「遅れるなら、前もってメールくれればいいじゃない!!」
「仕事中に出来るか!!」
「ひどい〜」

またメンバーに向き直って訴える。

「それだけじゃないんです、この人…」

グスッと涙目になって続ける。

「二人でピザ頼んだとき、私に何にも聞かないで……全面にタバスコ掛けた
んです!!私、辛いの苦手なのに〜」


熊「なんか…俺達の知ってる「ひどさ」と違うな」
鷹「ひどいの基準が…ズレてますね」
鮫「レベルの違うひどさや」


とりあえずルードヴイッヒ反撃。

「あの時は詫びとして、トシ・ヨロイヅカのフォンダンショコラ買ってやっただろう!!」
(テーブル、バン!)
「いーえ、それは前からの約束でした。だから罪滅ぼしになってません(ツン)」


熊「なー、鮫ちゃん…」
鮫「なんやクマ?」
熊「なに、ヨロイ買ったってなに?彼女さん戦国モノ好きなん?」
鮫「バッ…バカかお前…」
鷹「トシ・ヨロイヅカっていう、有名なパテシェのケーキです」
熊「あー、スイーツか。わかった」
鮫「まー確かに、ピザにいきなりタバスコは無いかも」
熊「一回、確認取るよな、かけてええかって」
鮫「居酒屋のから揚げにレモンと同じやな」


「それと…」

続けようとしたジョセフィーヌに、煙草吸っているミレーヌが声を掛けた。

「Bonjour mademoiselle」
「Oui madame」
「Comment allez-vous?」
「Ca va bien, merci. Et vous?」

女性二人、小首をかしげてペコっと挨拶をする。
続けてミレーヌが言った。

「話止めてごめんなさい、続けていいわよ」
「はい」

熊「なんや?…意気投合してしまったんか?!」
鮫「いま、何語で挨拶してたん?」
鷹「フランス語です」

ルードヴィッヒ、女性二人に挟まれて色んな汗ジワジワかいてるし。

熊「もー、汗ダラダラですなー」
鮫「元カノと、内縁の妻に板ばさみっ…ちう事ですか?」
鷹「俺達には、縁の無い板ばさみですね」
熊「うん、縁が無い」
鮫「板ばさみ、縁が無い」

喪男ツッコミ無視して、尚もジョセフィーヌの訴えは続く。

「あとひどいのがぁ…デートしている最中に、書店で一時間も立ち読みしてるんです…」

グスグス言っているジョセフィーヌの脇で、額に手を当てて汗ダラダラのルードヴィッヒ
その隣で、煙草咥えながら無表情で座ってるミレーヌ
あと

熊「ウルフ兄さん、止めに入らんのな」
鮫「あれ兄さんの管轄外やろ。撃ったかて、すり抜ける思うし」
鷹「キャット姉さんは…何か言いたそうですね」

喪三人、腕組みして苦い顔をしているウルフと、口元モゾモゾさせているキャットを見た。

「それとですねぇ…!」
「あ、ちょっと質問いいかしら」

ミレーヌが右手を上げた。

「…はい…」
「彼って、昔から…」
「…はい」

「あの時に」
「はい…」

「自分からつけるの、嫌がるタイプ?」
「はい」


鮫「即答や〜!!」
鷹「きっぱり、肯定しましたね」
熊「え…なに?何つけるのイヤなん?」
鮫「クマ、お前は童貞か?!(ベシッ!!)」
熊「いった!!どつくなや!!…それに、どどど童貞ちゃ…あー、あれか。今わかった」
鮫「すぐ分かれすぐ!!」
鷹「普通は、すぐ気付きますよ」

ジョセフィーヌ、グスグスになりながらミレーヌに暴露始める。

「前にぃ、忘れて来た時があるんですぅ!それなのに『今日は大丈夫だろ』とか言って迫って来るんですよぉ!!」
「…どうしたの?」
「もちろん、さっきみたいにビシッ!!と叩いて、近所の薬局に買いに行かせました」

女二人に挟まれて、ルードヴイッヒはテーブルに突っ伏す。

熊「あーなんか、白いテーブルに突っ伏して、保護色みたいになっとる」
鮫「本人としては、消えてしまいたい心境なんでしょうね」
鷹「穴があったら入りたい、白いテーブルに溶けてしまいたい」
熊「俺らには、縁の無い白さや」
鮫「縁の無い白さ」
鷹「白さに、縁が無い」

突然、今まで黙っていたキャット姉さんが、ふかーい溜息をつく。

「男って…やっぱりそうなのね」
「あ、貴女も…ですか?」

ジョセフィーヌに聞かれ、キャットはコクコク頷いて語り始める。

「うちもおんなじ、なんかこの人、いっつも嫌がるのよ」
「おい!!ここで言う事か?!」

キャットに親指クイクイ向けられて、さすがにウルフが怒鳴る。

「あんたねぇ!『なんだかキツい』とかなんとか言ってるけどさ、キツくない
全然キツくないわよ!!」
「人前で言うな!!(机バン!!)」

熊「うわ〜…姉さんのほうがキッツイわ…」
鮫「言われたくない!…男としてアレは言われたくない!!」
鮫「俺らには、縁の無いキツさやな」
熊「キツさ、縁が無い」
鷹「キツくても縁が欲しい…」

熊「しかしなんで、二人とも着けたがらんのやろ」
鮫「……パパになりたいのかな?」
熊「あーもうパパになってまえ、二人ともパパになれ」
鷹「俺達には、縁の無いパパ」
鮫「それは、縁が無くてもいいかな」
熊「……」

ガミガミ言い合ってるウルフ兄さんとキャット姉さんに、ジョセフィーヌが
オドオドしながら言う。

「あの…そちらも大変ですね…(ペコペコ)」
「あ、アタシたちはいいから、うん。ごめんね、話折っちゃって…(ペコペコ)」
「いえ、いいんです(ペコペコ)」
「ごめんね(ペコペコ)そっちの話つづけて(ペコペコ)」

と、互いに頭ペコペコ下げあってる女二人に突っ込み。

熊「…元カノはんと姉さん、なんぞペコペコしあっとるの」
鷹「なんか、赤ベコみたいですね」
鮫「地方の名産品の、あれか?」
熊「俺らには、縁の無い赤ベコ
鷹「赤ベコペコペコ、縁が無い」

そして、またジョセフィーヌの愚痴はじまるし。

「あとひどいのがぁ!!婚約の申し込みに来たときですねぇ…!!」

熊「なー、鮫ちゃん」
鮫「なんやクマ」
熊「そないにひどい彼氏なら、なんで別れへんかったのや?」
鮫「…あれや」
熊「ん…?」
鮫「『イケメンに、限る』っちゅうやつやろ」
熊「あー…やっぱイケメンか、そこか」
鮫「同じ事ワイらがやってみい、ピザにタバスコかけた時点で全て終わりや!!」
鷹「それ以前に、デートに30分送遅れただけでOUTですよ」
熊「俺らには、縁の無いイケメンね」
鮫「イケメン、縁が無い」
鷹「イケメンになりたい…」

イケメンがテーブルに保護色となっている状態でも、まだガンガン行く元カノ。

「お墓参りにも全然来てくれないしぃ(グスグス)…やっと来たかと思ったら、薔薇の花一輪だけ!!お掃除もしてくれないしぃ…皆さんも見てたでしょ?!」

熊「あ、俺らの事も見てたんか」
鮫「ちょっと怖いなwww」

「しもか勝手に人の隣にお墓作って!!皆さんも一緒に並んでぇーもうキツキツ!!」

そこで突然行動を起こしたのがジタンダ。

「あーもう!!いい加減にしんしゃい!!」

そう叫びながら、あの壷を放り投げて思いっきり割った。

「えっ?!あっ…あらあらあら…」

壷が再生すると同時に、ジョセフィーヌ(幽霊)が吸い込まれていく。
肩でゼエゼエ息しながらジタンダがブツブツ言う。

「まったくもー、キャッツバーグ家の人間は…死んでからも迷惑かけますか…!!」

保護色になっていたルードヴイッヒがはっと顔を上げる。

「ジタンダお前、消せる方法をよく気がついたな」
「はい。なんかあのー、クシャミして飛び出すアレは、引っ込めるのもクシャミしますから、それならまた割れば戻ると思いました」
「よ、良くやった、良くやった…!」

ジタンダの両手握ってブンブン振りながら感動するルードヴイッヒ。

熊「あー、あれね、魔王さんの応用ね」
鮫「あいつにしては、よう気が付いたな」

素で感心している喪男三人を、キッと睨むルードヴィッヒ

「お前達!!」

「はっ!!」

「さっきから何だ!!私の有事に傍観を決め込んで!!」

そう八つ当たりされて、ショボンとなりながらボソボソ返す。


熊「そないな事、言われたかて…」

鮫「俺らには、縁の無い有事でして」

鷹「はい、あの有事には、縁がありません」

 

                           おわり





↓喪男、後日談

熊「しかしなー、ああいうゴタゴタ見てしまうと」
鮫「ん?」
熊「おれ、彼女とか、オナゴと付き合うとか、やっぱめんどいわ」
鮫「お前はそれがあかんの!!」

熊「…せやろか」

鷹「それは負け組みの理屈ですよ。普通は、そういうトラブルを回避して付き合う策を講じます」
鮫「せやせや。やばい事を避ける為の見本や、あれは」
熊「うーん、例えば…」
鷹「はい」


熊「ピザにタバスコかけたら、アカンとか?」


鮫「なんで局所的に見るねん!!もっと応用きかせい!!」
熊「あ、あと、居酒屋のレモンもか」
鮫「それも局所的や!!」
熊「やっぱめんどいわー、オナゴええ別にええ、ワイの人生に無くてもええ」
鷹「そんな投げやりに…」
熊「まー…でもな」

二人「はい?」


熊「…子供は、ちょっと欲しいと…思うねん」


二人「ええええっ?」


鮫「オンナいらんで子供は欲しいっ…て、えらいすっ飛ばすなぁ。
俺なんかその逆やのにwww」
鷹「それもどうかと…でも、どうして子供はいいんですか?」

熊「俺が、フライベートの時にオフ会出とるのは知っとるな」
鮫「あー、なんかお前、月一で大阪行くアレか」
熊「せや、そこでミリタリー仲間と語るオフや」
鷹「まさか、自分の職業は正直に言ってませんよね」
熊「ったり前や。ま、警備会社勤務っちうことにしとる」
鮫「自宅の警備とか言われんかwww」
熊「言われる言われるwwwま、実際自宅警備みたいなもんやけどなwww」

鷹「そのオフで、子供好きになったんですか?」
熊「まあ、好きっちうか。オフの幹事がパパさんでな、たまに息子連れて来よる」
鮫「あー、迷惑にはならんの?」
熊「おお、今8歳やがな、大人しい子じゃ」
鷹「男の子、ですよね?」
熊「うん。そんで、ワイが作ったモデルガンとか見せるとな『クマにーちゃんすげーっ!!』
ってキラキラした目で褒められるんわ、なんかそれ見てるとな」
鷹「…可愛く、感じますね」
熊「うん。他にも、幹事が息子にモデルガンの使い方教えてるところとか見るとな。
 ああ、子供おるんもええなっ…て、感じてしまうねん」
鮫「クマの意外な一面やね。でも、オナゴがいないと子供でけんよ」
熊「せやな、最大の壁はそれやな」
鮫「養子もらうとか、どない?」
鷹「あ、それは無理です。養子縁組が可能なのは、母親が専業主婦の夫婦に限ります」
熊「まじかー…ハードル高いな」

鮫「あれやwwwルードヴィッヒ様か兄さんに仕込んで産まして貰えwww」

熊「それ怖いわ!!あの二人の子供育てるなんて、えらい怖いわ!!」

鷹「しかも母親が、兄さんの場合はキャット姉さんでしょうし」

熊「うわ!!やばやばやば!!プレッシャーに潰されてしまう!!」

鮫「それでも、子育ては、ちょっとしてみたいんやろ?」
熊「まあ、な…親子でサバゲーとか、ちょい憧れるわ」

鮫「生まれたときから、スティンガー」
鷹「ウルフとキャットなら、サラブレッドですね」
熊「いやだから…あの二人の子供はコワイ…」

鷹「ま、やはり、自身で励むしかないでしょうね」
熊「…やっぱ…オナゴと付き合うところからかー…はーめんど」
鮫「はじめに堂々と言えばいいやん『俺の子供を産んでくれ』って」


熊「…それ、俺の目から見てもドン引きシチュやん」



                       本当におわり