ネオ・バカップルシリーズ
その1


ウラシマン本編13話で出て来た、ジョセフィーヌさんと
お父さんのキャッツバーグさんですが
13話の内容によると、キャッツバークさんは
えらいお金持ちみたいです。

どんくらい金持ちなんかなー
年商、数百億とかあるのかなー
なんて、創作中に考えててー

この「年商、数百億」っていうフレーズで
ある御人を、思い出したの。

なわけで、以下の話が出来ました。



「もしも、ジョセフィーヌさんの父上があの人だったら」

2045年、秋

ルードヴィッヒさんが、あの壷を持って、ジョセフィーヌとの交際を認めてもらうよう
キャッツバーグ邸を、訪れました。

壷もったルードヴィッヒ(22歳)&ジョセフィーヌ嬢(20歳)の前に、近づく足音



    カシャン、カシャン、カシャン



「どーも!!」

ルードヴィッヒの目の前…というか、足元に現れたのは。

どうみても、安っぽい金属製の箱に、箸みたいな細い金属製の手足つけて
左手には「よろしゅう」とか書いてある日の丸の扇子を持った物体…

説明しよう!!

彼の名は、通称「ジェイムスン社長」本名、岩崎さん
攻殻機動隊SACの第8話「恵まれし者たち」に登場するメディテック社
(医療用臓器の量産企業)の社長であーる。


こんな、小学生低学年が工作で作りそうな外見でありながら
年商300億という企業の、社長さんであーる。

ボーゼンとしているルードヴィッヒ(壷携帯)とニコニコしているジョセフィーヌに対して
元気に挨拶する。

「いやホンマホンマ、ようこそおいでなさりましたわ☆」

棒っきれみたいな腕出してきて、握手もとめて来るジェイムスンさん。
しゃがみこんで、とりあえず手を握るルードヴィッヒ。

「あんさんが娘の彼氏ですか?いやホンマええ男っぷりですな」
「…どうも…」

次の出方を失って、ただ手をブンブンされるルードヴィツヒ(真っ白)
相変わらず、脇でニコニコニコニコしているジョセフィーヌ。

「いや!これからは、あんさんではなく ム・コ・ド・ノ とお呼びした方がよろしい
でっしゃろか?」
「…いえ…私…まだここを継ぐと決まった訳では…」
「あーこれですな、娘から聞いた壷ちうんは?!」
「あ、はい…」

成り行きに任せて壷を出すルーはん
満足げに扇子で壷ピシピシ叩く社長

「いやこりゃ、中々ええシロモンですな。特にこの腹の辺りのラインがええ!!
いやー、いい仕事してはります!!」
「……はあ」
「あ、そんではわし、これから会議ありますよって、後はお若い二人だけでごゆっくりー」

もう言葉もなく、コクコク頷くルー

「いやー、ホンマ今日はええ日やー」

と、上機嫌で遠ざかって行く社長の姿を力無く見送る
その脇で、ニコニコ浮かれている彼女

「ね?人がいうほど悪くないでしょ?…壷、気に入ってくれて良かった☆」

キャピキャピしているジョセフィーヌの方を向いて聞く

「…ジョセフィーヌ…」
「え?」
「先日、コートダジュールで…君といた、白髪の紳士は?」
「ああ、あれ?あれは、うちの執事アンドロイドです(キッパリ)
ね、いいお父様だったでしょ☆」
「…ジョセフィーヌ…」
「うん」

「人?あれ…」
「え?」

「…あれ、人?」
「はい?」

「だから、人間……」


「ああ?」


「い、いやなんでも無いよ…すてきなおとーさまだね、うん……」





↑ここまで書いて思った

もう始めの出会いから
ジェイムスンにすればいいんじゃね。



んじゃ、ウラシマン13話の、春の出会いから行くよ

6年前、春のコートダジュール。
休暇で訪れた先で、海を見つめていた時に聞こえてきた、軽やかな笑い声。
春の日差しにも似た鮮やかなブロンド。
陽光を返す海に似た、輝く美しい瞳。

何気に入った映画館で、偶然めぐり合う女優のように
彼女は目の前に現れた。

目を奪われてその姿を追ううち、視線に気づいたかのように自分に顔を向ける。
スクリーンの中の女優が、画から抜け出した瞬間
自分にだけ向けられる柔らかな笑顔に魅入る。




    カシャン、カシャン、カシャン



彼女の足元から、金属音が聞こえてきた…

「いやー!!久し振りの娘とデートや☆」
「うふふ、お父様とクルージング楽しみ」

ニコニコ顔の、ジョセフィーヌとウキウキのジェイムスン社長
扇子には「こーとだじゅーる」と書いてある

真っ白になってその光景を見ているルードヴィッヒ

「よっしゃ!!今日はコルシカ島まで行ってみよか〜☆」
「うふふ、ステキステキ☆」
コルシカ島に行くには、こるしか無いんやー!!なんっつて」
「うふふふ、お父様おもしろーい!」

やがて遠ざかっていく親子らしい二人の姿を見送りながら

(飲みすぎたかな……)

ルードヴィッヒはグラスの中のワインをザバっとひっくり返した。



                            まずは終わり